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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『年年歳歳・・』

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春の深まりを飛び越えて、初夏の気温が朝を包む(6日)。


いつもながらの週明けだが、今日は昨日一昨日の競馬結果に憂えてる場合ではない。


早朝から書きかけの陳述書に取り組み、外の初夏風情から隔離。


時計を睨みながら一人作文に励んだ。


半年にまたがる裁判だが、近々結審とのスケジュールを前回2月18日の裁判時に取り決めた。


その間に弁護側から準備書面が出され、それを受け取ってから博打屋が陳述書を提出するスケジュールとなっていた。


しかし、先月の10日を目処にと言う弁護人からの提出期日が過ぎても書面が届かないので裁判所に問い合わせた。


実は、その3月10日を前に博打屋は裁判所に出向き、書記官からスケジュールの確認を受けていた。


3月10日前後に書面を受け取ったら、3月末を目処に博打屋が陳述書を出すのが良かろうとのアドバイスだった。


その経緯があっての3月10日待ちだったが、何の動きもないので裁判所に問い合わせをした。


書記官が弁護人に確認するからと連絡を待つと、3月20日を目処にとの回答があったと連絡を受けた。


その後、弁護人から準備書面が届いたのが3月24日。


書記官が指示してくれた月末まで僅かな時間だ。


これでは博打屋の持ち時間が少なすぎる。



陳述書の提出が予定通りに進まないと裁判所に申し出ると、書記官は4月に入って、間に合えば次回裁判日までに提出して下さい、と事態を了承してくれた。



そうした経緯があるので、博打屋としては今日(6日)中には提出しておきたかった。


予定の内容を大幅に割愛して、一応陳述書をまとめ夕方裁判所に出向いた。


しかし、裁判所も人事異動があったようで、書記官が替わっていた。


これにはかなり参った。


初回、裁判所に相談に行って以来、実に親切に対応してくれた書記官だっただけに、改めて白紙に戻ったような気になった。


しかし、この裁判所の職員は以前にも書いたが、大変親切である。


手続き不馴れな市民が、某かの裁判に関わろうと言うのだから分からない事だらけだ。


その不安に対し、個人でも裁判は出来るのだと説明してくれた。


その書記官の交替は、今日の陳述書提出の経緯から少々厄介だなと思いながら、新しい女性書記官に事情を説明した。


書記官も理解をしたようだが、陳述書にするのか準備書面にするのか迷っていたようだ。


いずれ、近々の裁判で方針は出よう。


博打屋が新しい書記官に、裁判の内容は分からないですよね、と言うと、ニコリとしながら、書記官が替わっても裁判官は同じですからと答えた。


博打屋としては、いえね、その裁判官の方が心配なんですよ、と言いたかったのだが、言葉を呑んで裁判所を出た。


思えば簡易裁判所の事務室も、顔の見覚えのある人は一人しか見当たらず、机の配置も変わっていた。


あの親切だった書記官はどこに行ったのだろうか。


出来れば最後まで担当して欲しかったが、残念な事だ。


帰途の電車でドッと疲れがでた。


南武線沿線の桜はまだ咲き誇っている。


合わせて梨の花が白く咲き始め、春爛漫の風情。


『年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず』(唐詩選)


毎年同じように花を咲かせ、実を付ける大自然の営みの正確さを詠っている。


同感ではないか。


人の力ではどうにもならないより大きな力が作用して天地を運行している。


それに比べ、人の存在の小さな事よ。


博打屋も人の世の争いに身を投じている。


「人は無常迅速、生死の苦痛の中でのたうち回って、あわれをとどめている。」


そうおっしゃるのは禅研究家・赤根祥道氏で自身も禅師である。


どうして大自然の中の梨の花のように平安無事にいかないのだろうか、と言う問いに『我執をとることだ、こだわりを捨てることだ、心を無にしておけば、相似た年年になるのだ』と答えておられる。


なるほど、この境地に至るなら、博打屋もこんな裁判に時間を割くこともないのだろう。


我執を捨て無我になる。


何と難しい事か。

馬券を当てるより遥かに難しい。


出来るなら被告側にもこの境地を教えてやりたいが、博打屋が言うと目くそ鼻くその喩えに過ぎぬか。


『年年歳歳花相似たり』


こうありたいものだ。

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