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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『今どきの病院』

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寝たような、そうでないような朝が続く(16日)。


朝の明るさが強くなったので、二度寝も儘ならない。


起きた序でに、先日来悩まされている体のあちこちの痒みと不眠の検診に多摩病院まで自転車を走らせた。


『愁思符庵根性チューリップ』に挨拶をして、博打屋としては一念発起の行動だ(写真)。



区の健康診断もこの何年か受けていない。


毎度言うようだが、例えどこか具合悪い処が見つかろうが、後をどうこう出来る境遇でもない。


しかし、この1~2年、通年ではないがある時期湿疹が出てアザのように広がっては消えていく。


湿疹は多くないが、体の柔らかい処に広がり、掻き始めると痒い。


さりとて、痒くてたまらぬかと言えばそうでもない。


色々塗り薬で対処してきたが、このところまた復活してきた。


冬場の乾燥肌もあるのだろうが、この際医者の診断を仰ごうと思い立った。


9時に病院に着いたが、世の中これほど病人が多いのかと驚かされる。


例え痒かろうが眠れまいが、自転車ですっ飛ばしてこれる体の博打屋が来ちゃ申し訳ないほどの盛況ぶりだ。


早速受け付けから始まり、流れ作業で皮膚科、総合診療科で受診待ち。


ここの病院は結構手際よく患者を捌いているかに見える。


受診する科によって違うのだろうが、昔は初診で出向いた病院で、待たされたりムッとする対応の一つや二つはあったものだが、それを感じさせないのは立派。


職員の数が多いせいか、患者一人一人に丁寧に対応している。


今どきの病院はこれが当たり前なのかも知れないが、うるさい博打屋が言うのだからまあ合格点か。


しばらく待ち合い椅子に座っていたが、後ろの年配男女の話が聞こえて来る。


待つ者同士の話のようだが、男は過去の病歴や医者の診断やらその不満やらを話し、聞く女はそりゃ医療ミスよなどと今度は待ってましたとばかりに自分の過去の受診の不満を話始める。


挙げ句、モニターに映し出される今日の担当医の一人一人の寸評を始める。


どこの病院待ち合い室にも、この手の人たちはいようが、やり玉に上がる医者もたまったものじゃない。


しかも、その担当医の受診を待っている患者も回りにいる。


いかに誠意をもって接しても、患者に違う印象を残してしまう医者や看護師、職員は気の毒だと思う。


しかし、待っている間に昨日(15日)が命日だったアブラハム・リンカーンの言葉を思い出した。


言わずもがな、アメリカ第16代大統領で奴隷解放などアメリカ民主主義の英雄で1865年に凶弾に倒れた。


「四十歳を過ぎた男は、自分の顔に責任を持たねばならない」


よく使われる逸話で色々な人が言っているが、元はリンカーンの言葉。


ある人がリンカーンの秘書として一人の男を推薦した。


リンカーンは「顔が悪いから」と言って採用しなかった。


「顔は当人の責任ではあるまいに」と推薦者が抗弁するとリンカーンがそう言ったのだ。


何が言いたかったかと言うと、確かに持って生まれた顔付きは遺伝法則にあがなえない。


若い頃はそれに支配されるが、しかし、人間も四十歳過ぎれば、その人が前半生で何を考え、何を行ったかが顔に浮かんでくる。


つまり、顔は履歴書だと言うこと。


もちろん、男に限らず女にも当てはまる。


生活密度が雲泥の差ほどある今日、四十歳は三十歳に置き換えても差し支えない。


そう思って待ち合い室前を行き交う病院関係者を見ていると、「待ち合い室雀」たちの口に戸は立てられぬと言え、患者に裏腹な印象を持たれる事も、あながち根拠の無い事とも思えない。


皮膚科と総合心療はスムースに事は運んだ。


皮膚科は女医だったが、現在痒みのある処をサッと見るなり、乾燥何やらと言って塗り薬の処方だ。


せっかく、スボンも下げてベットで内股やタマタマの付近を見せているのに、手袋をはめてカーテン開けてチラリとタマタマを触るでもなく、触ったような仕草で、ハイ、特にカサカサしてる訳でもなく、もういいですよ、と素っ気ない。



アンタね、アタシのモノを見たのだからも少し何とか言ってよね、と思ったのだが、よくある湿疹よと言わんばかりの見立てに博打屋のタマタマも余裕を取り戻した。


総合心療の医師は若い医者だったが、丁寧なモノの言い方。


まあ、博打屋の不眠を究明してくれようとする姿勢ありありで、博打屋じゃ出来ないなと言う表情。


十分に履歴書が滲んでいた。


しかし、リンカーンさんよ、お言葉だが、顔と腕とが一致しない医者も多いんじゃないのかねぇと思いながら、久々に多摩川土手のサイクリングロードを和泉多摩川の知人会長の呼び出しに応えるべく走らせた。


これが一騒ぎの始まりでもあったのだが、顛末は次回。

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