春盛りと言える日々が続く(15日)。
暖かい日差しに洗濯、布団干しをし、『愁思符庵根性チューリップ』に虐待の詫びを告げる(写真)。
庭で春の恵みに癒されている時、知人の荒井氏から電話があった。
新百合ヶ丘近くの在住で、以前から近い事は知っていたが、オートバイで我が『愁思符庵』を探訪すると言う。
荒井氏は去年定年退職をした人だから博打屋より一つ歳上だろう。
以前から競馬場で顔は知っていたが、去年知人の上野氏と共に車で新潟競馬珍道中をした経緯があり、最近は競馬場でもよく話をする。
荒井氏は古くからラフィアンの会員で、今もかなりの頭数を所有している。
その関係で出資馬の出走が多く、競馬場にはよく現れる。
「いや、近いですよ」と到着してヘルメットを取った頭を見ると、なるほど博打屋より歳上だなと思う。
にこやかに笑顔を見せるこの人は、1年前まで何十人もの部下を抱える管理職時も、この雰囲気の人だったのだろう。
このところ会う度に博打屋のブログ評を頂くが、その話ぶりから、博打屋の貧乏暮らしは俄に信じられない、きっと隠し銭があるに違いないと疑問に思っているようだ。
幸い春の陽気の絶好のツーリング、チョイ博打屋の暮らしを覗いてやろうが本音ではなかったか。
友、遠方より来る、また楽しからずや、の博打屋は有り体にガラクタだらけの『愁思符庵』と、貧乏暮らしを披露した。
荒井氏はかなりの愛読家で、博打屋の本も見たかったそうだが、残念ながら博打屋のガラクタ本は大した価値はない。
茶も出せぬ状況だから、我が稲田堤を案内し、近くにお茶を飲みに出かけた。
互いによみうりランドの山頂を挟んだ位置に住んでいるのだが、荒井氏は小田急圏、博打屋は京王線圏。
荒井氏は意外と方向音痴でこの界隈を知らないことが分かった。
いい歳のおっさん2人がドトールの表のテーブルでしばし昼下がりの歓談。
傍目にはそう映っただろうが、荒井氏の思わぬ人柄に触れる一時だった。
多数のクラブ馬を所有し、一口馬主ライフを楽しむ人であるが、そこはそれ、人は心の深淵にヒダを持つ。
長年会社勤めをした実直な人が定年を迎えた訳だ、人生を振り返る時間は有り過ぎるほどあったろう。
競馬を楽しむと言え、彼の人生を充たす全てにはならない。
ふ~む、きちんと人生を送って来た人なのだなぁ~と、話を聞くにつれ感心させられる。
話の中にこれから残りの人生の目標と言う言葉が出てきたので、畏れながら、そこがそもそも違うのではないかと申し上げた。
もはや、会社人間ではない。
何かと目標設定してそれにまっしぐらに進む日々は終わったのではないか。
博打屋をご覧なさい、目標も目的もあったもんじゃない。
開き直ればこれも人生ですよ。
そんな博打屋の言葉に、荒井氏は口にこそ出さなかったが、アンタになっちゃ益々叶わんと思って聞いていたのではないか。
境遇には天と地の差があるが同じ世代。
おっさん2人の昼下がりの歓談は結構思索的になった。
荒井氏を見送り博打屋は川崎に出向いた。
夕方の所用の前に高知競輪決勝を買いたかった。
長らく工事中だった川崎競輪場の新スタンドがオープンしたようだ(写真)。
決勝だけの時間となったが、浅井・大塚で売れていたので、博打屋は新田・渡邉を選んだ。
レースは脇本先行となったが、新田が捲り浅井・大塚・渡邉のゴール前。
渡邉・大塚・新田・浅井とゴールし、博打屋の新田本線車券は外れ。
保険の渡邉・新田の3連単も、間に大塚が入ったばかりに外れ。
ふ~む、とため息をついていると、2着大塚が審議対象のアナウンス。
何がどう悪かったのか分からなかったし、落車もないので、何時ものおとがめなしと帰り仕度。
しかし、審議が長くもし大塚失格なら渡邉・新田・浅井となり博打屋の保険車券。
結局、大塚は失格となり、渡邉・新田・浅井7-2-1,3620円となった(写真)。
安いが何ともラッキーな繰り上げ。
足代になった嬉しさは隠せない。
払い戻してふとベンチを見ると、審議映像を見入っている親父がいた。
一緒に問題シーンを見て、やはりアウトですかね、と博打屋が聞くと、ありゃ駄目だなと答える。
競輪場によって違うんだが、西武園ならありゃセーフだったよ、先日も似たようなケースがあったと言い、手に持っていた車券を見せた。
ゴールしたのは渡邉・大塚・新田7-9-2で29800円付いていた(写真)。
何と気の毒な総流し車券ではないか。
幻の15万円にも諦めの良いおやじだったが、こんな事なら博打屋の車券などどうでも良いから、そのまま確定すれば良かったのにと思った。
そんな思いをしながら夕方からの所用に備えたが、博奕とは非情なものだ。
博打屋は救われたが、何とも罪深い大塚のレースではないか。
川崎の銀杏並木の綺麗なシルエット(写真)。
昨日の写真が分かり辛いのでまた撮った。
今宵は卯月の望月。
月の写真は携帯では撮れないが、朧月である(写真)。
思えば人生も朧月なのか。