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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『老いの一徹』

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危うく秋田大曲まで「こまち」の旅人になりかねない朝だった(17日)。



昨日(16日)午後呼び出しを受けた和泉多摩川の知人馬主宅訪問に、病院後多摩川土手を自転車で走った。


久し振りの訪問だが、隣家の藤が見事に咲いているのに驚いた。


少し早いのではないか(写真)。


89歳になるその御仁は今は大井だけの馬主だが、大曲の次男氏は中央の馬主で、昔から博打屋と懇意にしてもらってる親子だ。


少し年下の奥さんと2人暮らしだが、長男家族がすぐ近くに住んでいるので、傍目には絵に描いたような裕福な一族。


若くして長男に会社を委ねているので、会長と呼んでいるが、何年も前から歩行が困難で、手も余り自由が利かない。


加えて耳も遠くなり話が見えない。


年々悪くなりこそすれ、回復の見込みなく今は介護4の身。


奥さんにも持病があり、こちらは介護2。


今は世に言う老々介護の典型だ。


その会長から先月暖かくなったら大曲に連れて行ってくれと電話があった。


4~5年前に一度同行した事があり、大変な思いをした経緯がある。


近年、年寄り特有の思い付き発言が多いとは聞いていたので、そうですねと答えておいた。


何を思ったか、ケアマネの許可を得てデイサービスを休み、明日(17日)から大曲に行くと一人で決めたようだ。



この辺りの短絡が年寄りの年寄りたる所以。


早速博打屋に電話して、明日(17日)の新幹線切符を買って来てくれとなった。


秋田弁がきつくなり、電話ではラチが開かない。


週末を控え博打屋にも予定があるなんて話をしていた日には、電話代がナンボかかることか、こちらも年寄り特有、自分の事しか頭にはない。


話を聞くと、親戚筋のこの何年かの不幸にも顔を出さず不義理をしている、何とか墓参りをしたい、との事だ。


この先、体はもっと動かなくなる、だから今行きたいと言う。


話を聞く限り、もっともな希望だ。


しかし、前回もその思いを優先させ強行した。


今回はもっと手がかかる。

奥さんや世話になる大曲の次男氏の意見も聞かねばならぬ、


博打屋も迂闊に引き受けて事故を起こすと取り返しがつかない。


奥さんが博打屋への迷惑を気遣って反対したから一途な年寄りのヘソが曲がった。


一度は出発列車まで決め、博打屋も土曜帰京なら皐月賞も間に合うから一肌脱ぐ決意をしたのだが、ヘソを曲げた会長は、幼児帰りをしてしまった。


会長からはしっかりお礼を貰うからと言えば、奥さんもお願いしますと言いやすいでしょと取り成すももはや駄目。


どうやら、長年連れ添った夫婦にも、互いに老いからくる不自由さに苛立ちが募っているようだ。


そんな経緯があって、週末を潰す覚悟をしたものの、事態は急転、この半日、一体何だったのよと和泉多摩川から多摩川を渡り帰宅した。


気掛かりは残された奥さん。


全ての不満は奥さんに向かうのは見えている。


思うに任せぬ苛立ちは、ワンマンな会長の事、益々エスカレートし身内に向かう。


案の定、不自由な体でタクシーを呼び出掛けたそうだ。


夜中に4~5回起こされ、トイレの補助をした前回の事を思うと、事が容易で無いことは博打屋は身に沁みている。


しかし、90歳近い会長が、生まれ故郷の親戚筋に、恐らく最後になろう義理立てをしに行きたく思う気持ちは分かる。


しかし、それも他人の断片的心情。


身内にはそれまでに振り回された苦い歴史もあるようだ。



博打屋には既に親はいないが、高齢を迎えた親を持つ一族の葛藤を垣間見る出来事であった。


秋田行きはひとまず回避したが、博打屋は今日も朝早く多摩病院に出向いた。



昨日(16日)受診出来なかった精神科だ。


昨日はスムースに事が運ぶと思ったこの病院だが、予約優先の初診受付日はさすがに時間がかかる。


昼休み無しで受診し、終わったのが13時30分過ぎ。


9時15分に病院入りして実に4時間。


やはり医者にかかるのもエネルギーを要する。


昨日に続き午後の商いにも中途半端な時間となり、開店休業。


仕方なく登戸の小田急線多摩川鉄橋下を散策した。


精神科を受診した博打屋に相応しい昼下がり。


水ぬるむ季節、釣り人が見受けられた(写真)。


春の日差しの中、釣り人を眺める博打屋は確かに心を病みつつあるのかも知れぬ。


小田急線鉄橋下を散策するのは初めてだが、休業中の茶店小屋は野良猫の楽園。

愛猫家が餌を運んでいるようだ(写真)。


子猫が段ボール箱で育っていたが、この環境なら育つだろう(写真)。


桜が散り、世の中はすっかり木ノ芽時になった。


博打屋も人並みの木ノ芽時病か。

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