明るく暖かい朝、正しく春の訪れ(25日)。
何より起き出し一番、ストーブの世話にならなくて済むのが嬉しい。
下世話な話だが2月の雪の日、ガスが止められひもじい思いをした。
プロパンだから都市ガスより割高で冬場はこたえる。
まあ、ガス屋も猶予をくれていたのだから文句は言えないが、何とか支払い一息つくと次の請求書。
一難去ってまた一難だが、周回遅れだから次がすぐ来る。
見てぶったまげたのが料金9930円。
この2月分は1月18日から2月18日の32日分の検針。
使用量17.1立方米で前月使用量12.6立方米、前年同月使用量13.0立方米と参考データも記載されている。
嘘っと唖然とした。
如何に寒かったからと言え使用量が一年前や前月とこれ程違う暮らしをしていない。
例年6~7千円台で推移していたこの時期のガス代だから何かの間違いではないかと思った位だ。
たまたまガス屋の担当が近くに車を止めていたので聞いたが、検針違いでもガス漏れでもない。
担当が言うには今年はどの家庭も光熱費の増大が多く同じような質問をされるそうだ。
担当の兄ちゃんが申し訳なさそうに言うには、女房と2人暮らしの自分宅も1万4~5千円だったそうだ。
しかも、ガス屋に勤めていながら自分のアパートは別のプロパン屋だと言う。
自社は1立方米当たり460円なのに、アパートの業者はそれ以上。
そんな話を聞かされると世間ではこれが普通なのだなと納得せざるを得ない。
使用量増大の要因をムリクリ推測するなら、折からの貧困で自宅隠りが多く、ガスストーブ使用時間が長かった事か。
しかも自炊で料理を覚えた事もある。
だが、風呂はシャワーが殆んどで暮らしに大した変化はない。
所詮男の一人暮らしだぞと言いたい。
なまじ自宅に籠ると思わぬ経費がかかってくるものだ。
博打屋の暮らしでこれだから、ちゃんとした家庭の光熱費を考えたらゾッとするではないか。
と言う訳で、朝一番のガスストーブ離れがこれ程嬉しいことはないのだ。
恐らく世の御仁たちにはこんな所帯染みた話しはピンとこまい。
近々消費税が上がりまた物価が高くなる。
このガス屋も実は今年1月に1立方米当たり30円値上げしているのだ。
電気代も値上げしている。
これじゃ下々に景気の浮揚感など微塵も沸かない。
博打屋が今日の暖かさにホッとするのは、一重に光熱費の事を思っての事だし、電話や交通費等何から何まで自営業者は自前で賄わなければならないから厳しい。
この大いなる下世話な視点の先に見えるのが、実は世の中の姿なのではなかろうか。
昨日彼岸明けを済ませ今日から「此岸」の日々だ。
『煩悩の此岸に潔(きよし)コブシかな』(愁思符庵)
『今日からは此岸の遊子桜咲く』(愁思符庵)
朝出掛けに前のお宅のコブシを見た。
前日からあっという間の開花だ(写真)。
朝、所用で六本木に出向くと、TV朝日近くのカフェも春らしい風情。
外人さんが外で春風を楽しんでいた(写真)。
何時来ても博打屋には居心地の悪い都会然とした界隈だが、腹の中ではこの田舎モン達がと思っている。
この界隈は博打屋が六本木を闊歩していた頃は誰も寄り付かない僻地。
六本木と麻布十番の間で薄暗い地域だった。
それがアンタ、今じゃヒルズでなきゃ六本木にあらずみたいな顔した連中が、道端にテーブル出して茶~してる訳だ。
田舎モンが小銭を持つとやることが皆似てくる。
今日はあちこちで袴姿の女性を見かけた。
大学の卒業式のようだが、厚化粧の袴姿は似合わない。
年々派手になる卒業式ファッションで、悪しき習慣だけは勢い良くはびこるものだ。
午後、登戸の区役所にも用があり急いだ。
西武園準決勝は時間的無理。
早目に終わった区役所を出てハタと悩んだ。
時間的に新橋ラピスタなら間に合う。
汗ばむ午後となり、今日は朝から移動しっぱなし。
春休みの都心風景を観察する1日となったが、着いた新橋ラピスタは今週一杯休館を忘れていた。
何をしに来たのやらと電車賃が悔やまれた。
駅前広場で古本市をやっておりしばらく時間潰し(写真)。
これ以上本は買っちゃならぬと決めていたのだが、つい買ってしまった。
やはり「此岸」の凡夫だ。