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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『未年師走尽』

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只ただ、ひとえに普段と何ら変わりない朝だが、2015年、未年の大晦日「師走尽」と思うと、さすがに感慨深い。

『目は回り首は回らず十二月』
『借金も今は包むにつつまれず破れかぶれのふんどしの暮れ』(朱楽管江・あけらかんこう)

『貧乏のぼうが次第に長くなり振り回されぬ年の暮れかな』(万載狂歌集)

大晦日の目覚めに、こんな句を思い付くようでは情けないが、何とか博打屋も今日1日を無事に過ごせば、2015年を生ききった事になる。
今日は予定の川口オートをパスしてしまい、開店休業の博打屋である。
除夜の鐘の鳴り始めるまで働くのが博打屋の宿命と思っていたが、昨日のグランプリの空商いで博打屋の年末年始の流浪は混迷を帰した。
秋田・大曲の知人馬主も今年は介護施設に父親を迎え入れ、雲隠れも出来ない年末年始と昨夜しみじみと話していた。
「だから、有馬記念が終わったらその足で来れば良いと言ったでしょ」と、博打屋の躊躇を残念がる。
しかし、行けば金杯に合わせての帰京が帰省組みのUターンラッシュに巻き込まれる。
次男馬主と古老と博打屋と、3人で施設の部屋で紅白歌合戦なんて見た日には、生涯二度と無かろうお洒落な大晦日だったかも知れないが、博打屋は取りあえずおとなしくこの年が暮れていくのを待って旅立とう。
行く宛はあるのかぇってかい?
よくぞ聞いて下さったが、ここはひとつ「止めてくれるなおっ母さん、背の銀杏が泣いている」の心境でござんす。

世が世なら、と思うと事は山ほどある身の上だが、思わなくても只の人。
しかし、この只の人で有ることの難しさも1年毎に学ぶものだ。

大晦日を迎え、除夜の鐘の鳴る前に、皆様のご幸運を祈念して、良き新年を迎えられますことを願って止みません。
1年間ありがとうございました。



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