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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『嗚呼2015年競輪グランプリ』

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冷え込みはきつくなったが、穏やかな年末の天気に恵まれている(30日)。
帰省ラッシュも昨日までで終わり、移動すべき人は移動してしまった感の大晦日前日である。
毎年の事だが、明日(31日)にならなければ取り立てて行く宛のない博打屋である。
特に今日の競輪グランプリの出来高次第で
気分も身の振りも変わる。
よくもまあいい加減な人生と我ながらあきれる。
それがその日暮らしの身の定めだが、も少し気の気きた博奕打ちなら、この押し迫った大晦日前の競輪グランプリ任せなんて無計画な事はしないのだろう。
しかし、今年は有馬記念も中途半端であったし、この競輪グランプリ2日間も不調続きでなおさら明日(31日)からの目処が立たない。
「興国の一戦はこれにあり」の心境で迎えるのが今日のグランプリである。
今年のグランブリ招待券は当たらなかった。
何人かの名前を借りて申し込んだが当たらなかったようだ。
早朝の発売に並ぼうかと思ったが、知人の
武道家が他にも知人が来そうだから何席も買えないだろうし、下でやりましょうと言うことになった。
博打屋はグランブリを一般席で見るのは久しぶりの事になる。
席は諦めたが1R前に京王閣に行きグランブリの雰囲気を味わった。
午前中は近くのマクドナルドで時間を潰し、書きかけのブログなどを終わらせようと出向くと、マクドナルドは閉店していた。
何だか寂しさを覚えたが、これで時間潰しの場所がひとつ無くなった。
再び京王閣に戻り、上手く座る場所を確保して昼までレースを見ていた。
予定の1人が来れなくなり、結局武道家と2人で午後からの参戦となった。
お天気にも恵まれ、場内は人の波で埋め尽くされつつあった。
負け戦は比較的順当に決まり、おかしいなと言う雰囲気。
暮れの博奕がこんなに穏便である筈がないと思ってたいたら、10R寺内大吉杯決勝がドカンと荒れてしまった。
この決勝とグランプリが目的であるからそれまではジャブ程度の冷やかし車券。
しかし、こうした無駄打ちがジワリと懐に響くのは博奕の常。
前座の寺内大吉杯決勝は山内卓也が優勝し123680円の大波乱。
ここはと、少し気合いを入れて買っただけに、荒れレースの選択を間違ってしまった。
この時間になると、京王閣バンクの1センター付近で金網沿いを確保するのは大変な事だったが、首尾よく割り込んでグランプリ選手の地乗り(競馬て言うならパドック)を見守った。
夕日が差し込むバンク2センターのスタンドがこれ程の人で埋まっているのを見たのは何十年ぶりだろう。
暖冬と好天に恵まれた今年のグランプリ3日間はいよいよファイナルを迎えようとしていた。
思い思いの選手に今年1年の思いが込められているような大歓声だった。
武道家が京王閣に来るなり博打屋の予想を聞いた。
新田・浅井・平原、2-6-8のボックスと答えると、えっ、一緒ですよ~と声を上げる。
どうやら武道家は、知人の元競輪選手に電話して予想を聞いたらしい。
その予想が博打屋と奇しくも同じで、本人は来てすぐ2-6の車単裏表を5000円ずつ買っておいたようだ。
先に買っておいて博打屋の予想を聞くところが中々のマーク屋らしいこの男だ。
博打屋の予想と同じになって、意を強くしたのかどうかは分からない。
むしろ、2人の意見が一致する方が怪しいと思ったのは博打屋の方だった。
レース間隔が長いので競輪はあれこれ考え始めるときりがない。
幾パターンものシーンが想定できる。
大変な混みようだから買い足しに走ると、金網沿いの場所がなくなる。
博打屋の予想は新田か平原の優勝が濃厚で、2~3着が浅井・園田だった。
稻垣先行は読めていたし、武田が後の平原・神山を引き出すには稻垣ラインと争わなければならない。
新田と浅井がどの位置を取るかが推理の分かれ目。
新田が8番手捲りになると、届かないシーンもある。
レースは正にその通りの展開となり、新田が博打屋の前を8番手で回ったのを見て、嗚呼、届かないよと諦めた。
結果は、稻垣の後にはまった浅井が先に抜け出した平原を捉え優勝、新田が猛然と追い込んで2着、平原3着で6-2-8、7720円。
武道家はニタッとしていたが、博打屋はボックスを避けて2番車新田から浅井・平原・園田の2~3着ボックスと、8番車平原から新田・浅井・園田の2~3着ボックスを買っていた。

イメージ 1


浅井1着の車券を買っていないので、ゴールの瞬間には目眩がした。
嘘っ、最初にボックスを買っておけば、せめて気持ちだけでも納得の出来たフィナーレだったのに思わぬ落とし穴。
武道家はニンマリしながら、グランプリに駆け付けて来ると言う、知人の元競輪選手との合流を待った。
払い戻しの行列を見ながら、ビールでも飲みながら待ちましょうやとご機嫌。
梶山さん、なんでボックスって言ってたのに買わなかったんですか?と不思議がる。
ほっといてくれよ、と思いながらモニターに映る表彰式を眺め、払い戻しの行列が減るのを待った。
元競輪選手と同伴の女性とは2~3年前の立川グランプリでも会っている。
払い戻しから帰って来た武道家は、博打屋に香典の先払いだとご祝儀を寄越した。
恐らく自分が先に逝くだろうから、博打屋に香典を渡す機会がないと言うことらしい。
思えば去年のグランプリもこの武道家は、亡くなった女房の命日車券で当てていた。
本人は有馬記念の負けを一気に取り返したと顔がほころびっぱなし。
52期生のY氏たち4人で調布に出て忘年会となった。
4人の内で払い戻しが出来なかったのは博打屋一人。
Y氏のレース回顧を聞きながら、成る程元選手ならではの選手心理を感じ取った。
博打屋としては、今日のグランプリの鍵は武田だと思っていたが、その武田がまるで自分が色気を出したようなレース運びかに思えた。
しかし、Y氏に言わせると、前にいる村上の動きに武田は金縛り状態になったのであろうと言っていた。
武田のその動きで、後の平原は動くに動けない状態となり、そこを浅井に上手く突かれてしまった。
ご機嫌な武道家は3連単も押さえていたようで、3着が園田だったら幾らになったかなどと、あれこれ楽しんでいた。
賑々しく2015年の博奕納めの様相だったが、博打屋一人明日(31日)の商い場の模索をしていた。
何故か師走商いがスッキリせず、この1年を象徴するような大晦日前夜だったが、まあ、今年もかと言ってしまえばそれまで。
いよいよ明日は大晦日かと思うと、師走の風が急に身に凍みむ夜だった。



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