疲労は回復したが、まだ腸がしっくり来ない。
のんびりと春の陽に誘われて野山を散策したいものだが、風の冷たさにその趣向も萎えてしまう。
揺らぐ雪やなぎが素々として優しい(写真)。
今日(25日)は浦和で桜花賞が行われる。
一昨日、知人馬の応援に行き、今日の桜花賞を知った。
昔は桜の満開の頃に行われ、花見方々浦和競馬場に行くのが南関競馬の楽しみであったが、時期が少し移動して桜との関連が薄らいだ。
いつ頃からか知らないが、この桜花賞の日に桜の苗木がプレゼントされ、今日も配布と書いてあったが、博打屋は遠慮する。
過去何本か貰って帰り植えたが、枯らしたり、大きくなりすぎたりで、借家住まいには向かない。
昨年まで住んでいた家の庭にも何年前かの浦和桜がすくすくと成長し、大きくなりすぎたので伐らざるを得なくなった。
今の住まいには鉢植えしていた桜を持ってきたのだが、鉢植えと言っても根が鉢底の穴から地中に伸び、実際には地植え状態であった。
去年、引越しの際その根を伐って運んだので枯れてしまった。
しかし、まだ本当に枯れてしまったのか分からない。
庭に置いているのだから、根を伸ばしているかも知れない。
ここで配られる桜は山桜が多く、ソメイヨシノは無かったはずだ。
そんな事を思い出しながら、午後遅く予定を変更して浦和に出向いた。
駅に着くと既に苗木が配られた後のようで、桜花賞の時間前に苗木を持って帰る人が多い。
競馬とプレゼントは違うのだなあと、主催者の思惑と人々の関心事の違いに苦笑せざるを得ない。
苗木の欲しい人には並べば貰える良いチャンスなのだ。
薄暮レース開催だから、桜花賞は16時40分だが、苗木ファンは早々にお帰りだ。
駅からのバスで懐かしい人に会った。
日刊スポーツの地方競馬本紙予想の深沢一千代氏だ。
以前会ってから何年振りになるかと、バスの中で互いに思い出していた。
互いに年取ったねぇ~と笑いながらも、聞くと彼も定年が見える歳になったそうだ。
嘗ては日刊スポーツのレース部で中央競馬担当でもあり、その後競艇、競輪担当を経て今は南関競馬の本紙予想をしている。
かなり以前、多摩川競艇場で会ったり、川崎競馬場で会ったりした記憶はある。
博打屋が競馬雑誌を立ち上げた時は、日刊スポーツレース部の中でも若手の記者だったが、もう定年が見えて来たとは感慨深い。
競馬場に着くと、新聞を持って来ますからと、パドックにいる博打屋の所に戻って来てくれた。
今日(25日)のコラムで脇田創騎手(30歳)のラスト騎乗(27日)が迫っていることを報じたらしく、桜花賞前の10R、脇田騎手のパドックでの騎乗を一緒に見ることになった(写真)。
深沢氏の記事によると引退発表が3日。
以後、7日間で3勝するなど奮闘が目立つようだ。
目の前で騎乗した脇田騎手を見ながら、良い奴なんですよ、人間的にと褒める。
フォームが綺麗で技術も確か。
きっかけさえ掴めば飛躍出来る素地は十分にあっただけに残念と言う。
4月からは競馬に無縁の第2の人世を歩むそうだ。
「騎手をやって人間関係や、いい意味での力を抜くことを教わった。仲間と離れるのは寂しいけど次の仕事の目標がある。頭を切り替えてやるしかない」と脇田騎手の言葉を紹介している。
深沢氏とはそこで別れたが、その10R、人気薄の脇田騎手があわやの好走。
勝ったかと思われた写真判定だったが山崎誠騎手に交わされ2着。
3連単245390円の大波乱は桜花賞の前座レース騎乗に意地を見せたか。
残念ながら博打屋は手を出さなかったレースだが、後にして思えば一昨日、その脇田騎手を買って馬券にならなかった経緯があるので今日も追いかけてみればよかったか。
そんな思いを持ちながら本番桜花賞を迎えた。
今日(25日)はこのレースが本題。
パドックを見ながら熟考の結果、ララベル本線の相手3頭、アイスキャンドル、トーコーウ゛ィーナス、スターローズ。
特に園田からの遠征馬トーコーウ゛ィーナスはパドックでの気配が抜け出ていた。
この馬からの馬券も押さえていたので、最後までララベルと争い、結果は2着となり3着がアイスキャンドルだったが、どちらが高かったのか分からない。
しかし、人気のスターローズが消えたせいか5-3-2,19570円は予想外の高配当(写真)。
薄暮の冷たい風が吹く浦和競馬場を眺めながら、兎も角、桜花賞を取ったのだと歓びが湧いてきた。
桜こそまだ早かったが、博打屋の浦和詣が無駄にならなかった事が何より嬉しかった。