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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『水辺の飯友』

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肌寒い朝が続く(11日)。


昼夜の寒暖差が激しい。


汗ばむ昨日(10日)の午後だったが、夕方雨雲が風を呼び気温が一気に下がった。


その余韻が今朝の冷え込みになった。


しはらく振りの農作業で脹ら脛がパンパンとなり、寝起きが辛い。


週始めに作った豚汁を朝飯代わりにして出掛ける日々だったが、今日で花粉付けは一先ず終わる。


梨の花は種類によって開花のズレがあるが、人気の高い幸水は一番遅く咲いて一番早く収穫される。


規模の大きい園では、3~4日かけて何回りかするのだが、ここは夫婦で残りをやるのだろう。



昨日の風で桜はすっかり散ってしまった。


3日間同じ300円弁当を持ってお花見だったが、今日は宴の後の淋しさが漂う(写真)。


昨日現れなかった水辺の鳥たちだが、今日は先ず鳩が岸辺を歩きながらやって来た(写真)。


ガチョウもカラスもやって来て、一昨日の顔ぶれが揃った。


ガチョウの為にご飯を塊にしてやると、平たい嘴ながら上手く拾って食べる。


鳩は一粒ずつ食べようと嘴で振り回すので、あちこち飛んでしまう。


それをカラスに奪われるのだが、自分の頭や顔にもお弁当を付けて忙しく動き回る(写真)。


またしてもご飯の半分は彼らの為に消えた。


用水を流れる花筏もすっかり少なくなった。



『月は紙張り照り渡る 海は厚紙細工でも もしや私を信じたら ウソもまことになるものよ

惚れてなければ それはただ 安キャバレーの空騒ぎ 惚れてなければ それはただ 場末市場のはやり歌

月は紙張り つくりもの ウソで固めてあるけれど もしや私を信じたら ウソもまこととなるものよ』(田島博・山下修訳)


流れゆく花びらを数えながら、ふとテネシー・ウイリアムズ『欲望という名の電車』の一節を思い浮かべた。


うたかたの花の命を見たせいか、たとえウソでも現実の醜さを美に近づけようとする作者の命題が胸に滲みる。


本来ならアントン・チェーホフ『桜の園』を思い浮かべるべきじゃないのかと、ガアガア騒ぐガチョウに問いかけた。



午後、最後の花粉付けに勤しんだ(写真)。


隣の園に登戸小学校の生徒が野外学習に来た。


満開の梨棚の下で楽しそうに話を聞いていた。



日焼け顔は百姓の勲章だが、チョッとハワイにとでも言っておこう。


ポチも少し元気になった(写真)。

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