布団を通して冷たさが伝わってくる。
今日までは明るい空も望めようが、明日(18日)からは雪予報も出ている。
いよいよ大晦日までのカウントダウン。
有馬記念ウィークで身の引き締まる思いだ。
中央競馬最後のG1レースだけに、その年その年を印象付ける記憶に残るレースが多い。
普段競馬をやらない人を巻き込んで話題となるレースだ。
その競馬のフィナーレに先駆けて、先週土曜14日に渋谷「シアター・イメージフォーラム」でロードショー公開された松林要樹監督『祭りの馬』を見に行った(写真)。
パンフレットのコピーを借りるなら「ワケあっておちんちんがハレちゃった或る馬の、数奇な運命」と言う記録映画。
2011年3月11日、4歳牡馬ミラーズクエストは福島県南相馬市で相馬野馬追馬として未勝利の余生を始めたばかりだった。
その日、激しい揺れと共に津波が馬房を襲い、奇跡的に生き延びたものの、地域は福島原発事故で人間は強制退去。
残された馬たちは飢え、渇きの中で多くが餓死した。
その理不尽な生き物の死と残された馬、そして津波で怪我し、細菌でおちんちんが腫れて麻痺してしまったミラーズクエストの姿を映画作家・松林要樹は見詰めていた。
その時からミラーズクエストと松林の旅がはじまり、北海道日高の避難馬受け入れ、そして夏の野馬追い再開へと馬も人も流れる。
皮肉にも、ミラーズクエストたち被曝馬は食用の行く末からは免れたものの、生涯警戒区域内で暮らすべく焼き印を押される。
ミラーズクエストの大きく腫れ上がったおちんちんと、人間の都合に振り回され生きる馬の大きな瞳が、映像を通して訴えかけてくる。
それは、人間の行く末の姿なのだと。
「馬もつらい。人もつらい。でも生きる。それぞれの業を背負いながら、歯を食いしばって生きる。観終えて思う。命はすごい。」(作家・映画監督、森達也)
この評論を借りるまでもなく、原発は命を弄ぶ。
2012年7月、震災1年余の南相馬を訪れた時、博打屋は小高神社に上がった。
廃墟と言うに相応しい境内だったが、野馬追いの映像の中で、裸馬を追い込むシーンがこの神社で行われていた。
一度、現場の祭りを観てみたいが、去年も大変な混雑だったと聞く。
まだ、周辺環境に制約が多く、祭りの維持は困難を極めることだろう。
華やかな有馬記念を迎えるが、「祭りの馬」たちの大きな瞳に映るのは、相馬沖合いの原発の海。
競馬ファンにも是非見てもらいたい作品だ。
何年ぶりかに渋谷宮益坂を歩き青山通りに出た。
浦島太郎の心境だったが、随分開けたものだ。
同じ道を引き返し、京王閣に急いだ。
大宮・岸和田の場外初日である。
岸和田に愛敬が出ているが着いた時には終わっており、愛敬は勝っていた。
大宮特選には池田勇人がいたが、筒井・松坂英司・池田と狂い195550円の大波乱。
いかにも師走博奕の様相で荒れムード。
遅く着いたのが不幸中の幸いか、特選2レース無駄打ち。
師走の夜空に満月が輝く今宵。
年の瀬がひしひしと迫り来る。