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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『さようなら2017年』

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東京に初雪が降った大晦日の朝(31日)。
とうとう、望む望まざるに関わらず大晦日はやって来た。

『去年今年(こぞことし)貫く棒のごときもの』(高浜虚子)

毎年、この日にこの句を思い浮かべる。
解釈には諸説あるようだが、凡人としては去年今年と一夜にして年が入れ替わるこの日の除夜の鐘の一時を思うのみだ。
思えば只の月替わりの一時に過ぎない。
しかし、人類は何と賢いのだろう。
時間は永遠に流れているのだが、その時の流れを12ヶ月で区切り、年度という節目を見出だした。
それが天文学的必然であったにせよ、その科学性を度外視しても、この年度変わりの節目は、人々に精神的な摂理を与えてきたのではないか。
もし、その叡智がなければ、少なくとも歴史という概念は人類には生まれなかった。
去年今年と貫くも棒のごとき時の中で生きながら、去年今年の訣別を求める人の心の有り様をこの句は教えてくれているように思う。
「去年今年」は「来(こ)し方行く末」と重なる。
今日ばかりは、その来し方を静かに振り返り、行く末(来る年)を思い過ごしたい。
昨日の博奕納めで今年の博打屋の商いは終了した。
とうとう、早戸温泉からのキャンセル通知は来なかったので、冬旅は断念。
近場の銭湯でもと思う。
珍しく冷え込んだ大晦日となったが、心配された雨は持ちこたえた首都圏だ。
思えば煩悩だらけの68歳の大晦日。
あと何回この日が迎えられるか、神のみぞ知る世代となった。
これからは、毎年この夜だけは、今まで未経験の過ごし方をしたいと願う。
さて、今夜は。
今年、お世話になった円覚寺の国宝鐘楼の除夜の鐘を突きに出向いてみるかと思っている。
無事、先着100組400名に間に合うか、煩悩を払って新年を迎えたいものだ。
今年一年、ブログ読者には愛読ありがとうございました。
皆様の行く末が豊かな年でありますよう、心からお祈りいたします。

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