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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『沖縄梅雨明け』

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昨日の風雨から一夜明け、まだ薄曇りの空だが、夏日が予想される午後となるという朝(22日)。
雨の心配は無さそうで、7時からの同行援護の為に、6時前の起床で準備に取りかかった。
昨日(21日)の夏至を境に、昼は徐々に短くなるのだが、博打屋の夏はこれからのような気がする。
夏は1日が長く、何だか得したような気持ちになる。
たまに始発電車に乗ると、すでに多くの人が動いているのに驚かされる。
確かに、普段ならまだ寝床の中の時間だと言うのに既に明るく、起き出す時間には福島や新潟にいるのだから、夜明けが早いと言うことは活動しやすい。
7時前に利用者宅に着くと本人は既に玄関先に出ていた。
今日(22日)は本人の希望で、先日博打屋が下見しておいた生田配水池の推定217段の階段登り降りをすることになっていた。
視覚障害者にとって、坂や階段の登りはこなせるが、下りは苦手なのだそうだ。
確かに、落下の危険に晒されるのは下りの方で、登りは万一の時でも前のめりになり手でカバー出来ることもある。
手すりがある階段なら大丈夫だと本人が希望するので、冒険ながら挑戦することにした。
デイサービスの女性からこの階段の事を聞いて知っていた利用者のようで、自分も登ったと言いたかったようだ。
博打屋としては、登りは大丈夫かなと思っており、心配は下りだが、迂回路の坂道があるのを確認していたので本人の希望通りの散策コースにすることにした。
自宅から30分ほどで目的の階段に着いた。
今日は駅を避ける道を歩いたので、通勤・通学の人混みには出会わなくて済んだ。
早朝の曇り空だから涼しく、散歩にはちょうど良い時間帯である。
ガビチョウが一人悦に入ったように鳴いている。
利用者が、あの鳥は何処に行っても耳にするねぇ、息長く鳴くよねぇと言うので、あれはガビチョウと言うらしいですよと説明した。
耳からの情報に頼る視覚障害者にとっても、この鳥は覚えのない鳥であるようだ。
近年、富に市街地近くでも聞かれるようになった。
鳥にしては一鳴きが長く、時にはウグイスやホトトギスの鳴き声のようなのも混じる。
利用者は右手で手すりを持ちたいとの事で、白仗を左手に持ち替え登り始めた。
博打屋は一段後ろから付いて登ったが、22段で一区切りの踊り場が付いており、手すりは人が左右入れ替われるようにわずかながら途切れている。
階段を登る場合の援護の仕方も習ったが、一口に階段と言っても様々な高さ、奥行きがあるし、およそ何段位あり、踊り場がどうなっているかを事前に伝えなければならない。
しかし、階段登りは平気だと言う利用者は、健脚ぶりを見せたいのかどんどん行動が先になる。
手すりの形状を聞くこともなく登り始め、奥行きも説明する間もない。
博打屋としては、本人の情報不足を補う為の存在と心得ているので、行動に移した利用者がそれで動けるなら問題ないかと見守るしかない。
足をどの位置に置くのか、1段毎に左右の足を乗せるのか、本人のペースに任せる。
少し奥行きのある階段だし長いので、博打屋としては一段ずつ両足を置いてゆっくり登って欲しかったが、片足一段両足二段の運びで登り始めた。
二・三段は手探り、いや、足探りで登っていたが、高さや奥行きをその感触で掴もうとしていた。
足元を見ていると、階段の角に足裏の半分辺りを乗せているので、爪先だけで歩いているように見える。
その方が本人は疲れなくて良いというのだが、見ていると不安である。
一段毎に足をベタッと着けて登ってもらいたいが、本人が楽だと言う方を優先するしかない。
さすがに2ブロック目を過ぎた辺りからペースが落ちた。
後ろを登る博打屋でさえ少し汗ばみ、息が切れ始めた。
大丈夫と言い張る本人は、途中ひと休みしただけで登り切った。
まだ雲が残る朝の空だったが、小高い丘の上には風が心地よく吹いて、汗を乾かしてくれるようだった。
背後に配水池の広い敷地があり、その上にソーラーパネルが置かれている施設だと説明した。
眼前には遠く新宿副都心の高層ビル群と左に池袋サンシャインビル、右にスカイツリー、東京タワーがはっきりと見える。

イメージ 1

しかし、利用者にはその光景は見られない。
汗を拭き、水を飲みながら休憩する利用者は、博打屋の説明を聞きながら頭の中で位置関係をイメージしているようだった。
やはりこうした展望所に来るのは気が引けるような気もしたが、利用者はそれなりの景色を描いてくれたようだ。
しばらく休み、配水池敷地を半周する別ルートの入り口の方に回ってみた。
博打屋も初めてのルートだったが、こちらは高台に広がる住宅地からのアプローチで、やや高くなっており配水池が上から俯瞰出来るようになっていた。
その展望所に至る階段は木柵となっており、数段だったが、幅広く手摺もないので利用者には不安だったに違いない。
配水池が俯瞰出来ると言っても、珍しいのは見える人間で、視覚障害者にとっては何の為に来たのか分からないかも知れない。
こう言う場合をどう考えて良いのか、悩ましい同行援護だ。
一度は迂回路の坂道を帰ると言っていた利用者だが、やはり階段を降りようと言い出した。
手摺の完備に安心したのか、或いは登り降りしたと言う自信を付けたいのか、チャレンジ精神旺盛である。
ゆっくり、一段ずつの足の運びを条件に階段を降り始めた。
ひたすら足元だけを見ながら博打屋は一段したから振り向きながら同行した。
やはり何かの弾みで躓かれたら、下に向かって転倒するだろうなと言う危険には変わりなかった。
幸い本人も下りには慎重であった。
視覚障害者ならではの自己防衛なのかも知れない。
無事降りきってホッとした博打屋であった。
来た道を戻り、途中買い物をして予定より30分早く帰宅した。
時間は8時30分、まだ普段なら朝のコーヒーを飲んでいる時間だ。
帰宅して一息したのが9時過ぎ。
今日(22日)は生憎商い場がない。
明日(23日)もそうだが、明後日(24日)からの富山競輪G3を控え、開催谷間となっている。
開店休業余儀なしの感だが、今週末は最後の東京競馬開催である。
今日明日は大人しく充電期間とせざるを得ない。
明日(23日)の講座の予習もある。
そう思ってテキストを開く午前中だったが、早起きのツケが回ってきたか、眠気との戦いになった。
このまま何か次の行動に移る方が効率が良いのだが、幸か不幸か予定が無い。
気温は見る見る高くなり、ぐったりとした午後となったが、早朝1時30分が思いの外ダメージをもたらした1日となった。
雨のサイクルから脱した木曜日となったので、予定通りの同行援護が出来て良かったと言う他ない。
今日(22日)は沖縄で梅雨明け宣言が出された。
去年より遅い梅雨明けだが、沖縄が梅雨明けすると、いよいよ本土の梅雨本番の順。
向こう1週間は梅雨前線の動き次第の天気となりそうだ。

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