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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『花蘇芳庵』

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ゴールデンウィークを迎える4月最終週の始まりだ(24日)。
毎月のことながら、月末を迎える週の朝は気が重い。
いや、博打屋の場合は毎週初めの朝は心身ともに疲れが残る。
特に昨日一昨日は、福島競馬場・東京競馬場と転戦したばかりに、何時もより疲労感は強い。
昨日(23日)の京都のイスラボニータ・エアスピネル・ヤングマンパワーの3連単が予想外に付いたのは意外な余禄だったが、東京のフローラSにはかなり参った。
パドックで見たヤマカツグレースを急きょ取り上げ、博打屋としては珍しく横山騎手と戸崎フローレンスマジックを固定して3連複を追加した。
予想アップした馬の3連単を買っていたので、追加の3連複はもし予想を読み間違っていたらの保険であった。
その3連複の相手を2番ザクイーンと5番ホウオウパヒュームだけに絞ったのが間違いだった。
元々、モズカッチャンにも触手があったので、知人馬主にヤマカツグレースを推奨した時に、ハービンジャーの距離適性を聞いた位だった。
その時に、同じハービンジャーのモズカッチャンも押さえようかと思ったのだが、買う時に絞ってしまった。
1枠ならザクイーンで良いかなと、自分の予想の馬を優先した。
これが、余裕のある時なら2頭固定の総流しか、少なくとももう少し手を広げたのだが、既に3連単も買ってあるので腰の引いた保険にしてしまった。
ゴール前、ヤマカツグレース・フローレンスマジックで決まりかけ、後は白い帽子か赤い帽子が来れば上々と思ったが、同じ白い帽子でも、モズカッチャンの方ではないか。
3連複35940円をポロリと取り逃がしてしまった。
何をヘグってる博打屋さんと、知人馬主が冷やかす。
本人はマイラーズCの3連単の思わぬ配当にすっかりご満悦で、フローラSの不的中にもサバサバしたもの。
博打屋としては痛恨の省エネ馬券に悔いが残った。
こんな精神衛生上宜しくない馬券の買い方をした翌日は何ともこたえる。
ゴールデンウィークを控え、さてどうしたものかと庭を眺める。
ゴールデンウィークの天気予報は概ね良いようだが、列島を挟み冬型と春型の気圧配置となると大気不安定となり、雷などを伴う気象となるようだ。
春型と夏型とのせめぎ合いになれば、湿気を帯びた天気になる。
長い休日だから、春本番と言え、こうした天気の繰り返しになることもあろう。
さしずめ今日(24日)明日(25日)は初夏の天気と言うことだから洗濯に取りかかった。
玄関脇のハナズオウが益々花を付けた。

イメージ 1

このハナズオウは「花蘇芳」と書くが、
中国産のマメ科植物で、ジャケツイバラ亜科の落葉低木である。
葉は花の後に出て来てハート型になり、木は2〜3メートルになる。
花には花柄がなく、枝から直接蝶形花が開き、秋には豆果を付ける。
ちょうど枝豆のような豆果である。
大家さんの門にもこのハナズオウが植えられているので、この田舎町では流行りだったのだろうか。
「花蘇芳」の字が当てられているが、花弁の色がスオウで染めた色に似ているから、こう書かれるのだろう。
紫色は高貴な色で、このハナズオウも大変色が綺麗だ。
しかし、ハナズオウの花言葉を調べて見ると、4つの言葉が挙げられている。
「疑惑」「裏切り」「不信」「豊かな生涯」だ。
「豊かな生涯」を除いては玄関や門脇に植える木としては相応しくないのだが、大家さんの先代はその事を知っていたのだろうか。
おそらく、スオウ染めの高貴な色が好まれて庭木に用いられたのだと思う。
何故なら、これらの「疑惑」「裏切り」「不信」の花言葉はユダの伝説に因んだものだからである。
ハナズオウは「ユダの木」とも言われており、キリスト12人の使徒の一人ユダはキリストを裏切った後、ハナズオウで首を吊ったと言う伝説があるそうだ。
そう聞くと、先の花言葉も納得が行くが、『愁思符庵』の「花蘇芳」はさて、「豊かな生涯」か、それとも他の三つの花言葉か。
博打屋も貧乏には慣れっこだが、残念ながら我がハナズオウでは首は吊れそうにない。
今日は庭の鈴蘭の間に伸びたスギナを抜いて、鈴蘭を楽にしてやった。
外のオオテマリも咲き始めている。

イメージ 2

庭の手入れをして、一昨日(22日)から行われている西武園競輪ゴールド・ウイング賞G3の準決勝を京王閣に見に出向いた。
本来なら好きな西武園に出向きたいところだが、京王閣場外で済ませる所に月末間近の博打屋の苦しい懐事情があると言うものだ。
しかも、月末・ゴールデンウィークを控え物要りは見えている。
京王閣でじっと我慢の下見か、手堅いレースでタネ銭稼ぎかと、貧乏は貧乏なりの苦労をする。
知人馬主は常々「おっさんが羨ましいよ」と冷やかすが、どこが良いものかである。
昨日(23日)も本人はマイラーズCまでは、何を買っても当たる気がしないし、週明けは給料計算も大変だとぼやいていたが、思わぬ配当に諭吉が大団体でやって来ると、途端にお姉ちゃんがさぁ~と、あらぬ金使い途を言い出す始末。
このつましやかな博打屋のいったいどこが羨ましいと言うんだよと言いたい。
そう言う健気な博打屋の境遇を察してか試してか、西武園準決勝12Rは当てに行った博打屋に試練を与えた。
この日まで2連勝の平原は、地元開催で準決勝通過も最低ノルマ。
いや、顔ぶれからすると平原3連勝は規定路線のごとき組合せ。
売れ方にもその読みは現れ、平原・諸橋ラインは200円を切るオッズ。
3連単で300円台のオッズに博打屋も買い様がない。
せめて後ろの諸橋が平原を交わせばと言う無駄な抵抗すら考えざるを得ない。
まあ、駄目元で裏目千両でも狙うかと、おっかなビックリの車券を買った。
しかし、スケベ車券を願う博打屋の中途半端を嘲笑うようにレースは意外な動きを見せた。
先行する脇本の番手村上博幸が捲る平原をブロックする。
その間隙を突いて平原の後ろ諸橋がスルスルと内を突いて伸びてゴールに飛び込む。
う~ん、諸橋かと思うも、ブロックされた平原は3〜4着争いが精一杯。
ゴールは諸橋・脇本・村上となり8万円車券となった。
平原からでは安すぎて敢えて諸橋・平原の裏目千両を狙ったつもりの博打屋であったが、博奕の神はそれ以上の勇気と大胆さと言う思慮を博打屋に求めた。
この期に及んで8万円車券じゃ不満なの?と神に問い詰められたような博打屋だった。
う~ん、情けないとうなだれて帰途につく博打屋だった。
落ち目だなぁと独り呟く。
『愁思符庵』のハナズオウが夕闇に迎えてくれた。
小さなボロ家だが、「豊かな生涯」を願ってここに植えられたんだよと慰めてくれたようであった。
本来なら、『花蘇芳庵』と称すべき我が『愁思符庵』か。

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