Quantcast
Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2244

『2度目の夏日』

$
0
0
卯月も終わりに近付いている(26日)。
大型連休を週末から迎えるが、特別変わらぬ博打屋の日程である。
週末(1日)には東京競馬があるし、その前の4月30日から静岡競輪で日本選手権G1が始まる。
5月5日までのロングランのビジネスチャンスだから、ゴールデンウィークと言う言葉は博打屋には無縁となる。
静岡だから、現地に行ければ越したことはないが、それもこれも、今週の週半ばの出来高次第となろう。
今週は月末と言う大きなハードルがある。
悩ましい週始めだ。
昨日(25日)は好天に恵まれたが、近場の商いがなく全休日とした。
厳密に言うなら、小田原競輪などの開催はあるが、新橋ラピスタか電話投票しか参加できない。
かつての博打屋なら小田原までは守備範囲であったが、さすがに寄る年波か、出向く元気はない。
今週は今日(26日)の通院と検査が予定されていたので、今日まで全休日余儀無しの身辺。
病院は検査が午後15時30分からしか取れなかったので、麻酔科の治療も午後に回してもらった。
今日の予約は2週前に泌尿器科で前立腺肥大のエコー検査をすることとなった経緯によるものだ。
尿検査等で出てきた数値が、基準値を少しオーバーするものだったので、前立腺肥大や前立腺がんの疑いもある。
病名は兎も角、この半年位前から朝の排尿時に違和感があった。
つまり、中々出にくいと言うか、出るのに何か詰まったような感じがし、出ると下腹部に痛みとも言えぬ、上手く言い表せない抵抗感が走る。
この原因が何かが分かれば良いのである。
素人考えに、こう言うのを前立腺肥大じゃないのかと受診し、検査数値が微妙ながらオーバーしているので、エコー検査による前立腺検査となった。
午後と言え、大学病院は大変混んでいる。
検査前の注意書に尿を貯めておくようにとあった。
病院に着く前から排尿を止めていたが、溜まっている気配がない。
麻酔科の受診をし、検査まで1時間あるのでペットボトルの水を1本がぶ飲みした。
エコー検査の受け付けに行くと、尿は溜まっているかと聞くので、まだそんなに尿意はないと答えた。
何ならもう少し飲みましょうかと言うと、そうですねと言う。
しかし驚いたことに病院には只で飲める水がない。
すべて自販機で求めろと言うことのようだ。
今時の病院でそんな事があるのだろうか。
町医者のクリニックや薬局ですら、専門業者の設置したお水の給水器が置いてある。
仕方ないのでもう1本買い求め全部飲んで尿意を待った。
暫くすると、まあ、見目麗しい若い女性検査技師がやって来て、溜まったようですかと聞く。
尿意があるか無いかと聞かれるのも困ったものだ。
尿意と言うのは頭で考えるものではなく、まず、下の方から頭の方に指令が来るのではないか。
それを逆に頭から下に聞いても、あるようで無いようでよく分からない。
恐らく1時間以内にペットボトル2本の水を飲んでいるのだから、尿は溜まっている筈だ。
しかし、嗚呼、おしっこがしたい、などとの実感は無い。
溜まってないと駄目なのですよねと聞くと、ハイ、膀胱の様子を見ますので溜まってないといないと駄目です。
試しにエコーやってみますか?と聞く。
もし、溜まり方が足りないとやり直し出来ますかと聞くと、そうなりますと言う。
多分、あれだけ飲んだのだから大丈夫と思いますと言って、検査となった。
どうやら、その見目麗しき検査技師がエコー検査をしてくれるようだ。
まてよ、前立腺のエコー検査は良いが、何をどうするのか博打屋は知らない。
膀胱やら、何やら、下腹部なのだろうから、この人がタマタマ等を含めた諸々をエコー検査するのかしらと、狭い個室に仕切られた部屋のベットに横たわりながら、一抹のてらいを覚えた。
すると検査技師はお腹を出させ、ズボンを少し下げ、ヘソ下の下腹部辺りまでの衣類を開けさせて、ズボンの上にタオルを巻き込んだ。
丁度、心電図を撮る時の要領であることを博打屋は理解した。
何か液を塗ってエコー検査が始まった。
モニターを見ながら下腹部を器具で押さえながらあちらこちらを見ている。
博打屋は上を向いているので、モニターは見えない。
左右の腎臓を撮っているのも何となく分かった。
何分間だったか分からないが、息を止めたり吐いたりの指示通りにした。
すると、検査技師の女性がちょっとお待ち下さい、確認をしてもらいますからと退室するや、今度は男性技師が挨拶しながら検査を代わった。
大まか、女性技師がやった事の繰り返しだったが、男性技師の方が器具のあて方が強かった。
モニターを見ながら、男性技師が女性技師にあれこれ説明していた。
どうやら、女性技師は新米の様だった。
検査が終わり、担当医の診断を待った。
前回初診の時、腎臓内科から回された経緯で博打屋が苦言を呈したので、女医さんは愛想が良かった。
細胞診断報告書と超音波検査報告書とを見せながら、やはり前立腺肥大ですねと言った。
机にある下半身の断面模型と、検査画像を
見せながら、左右腎臓には異常は無いことを説明した。
報告書を見ると、主訴・前立腺肥大、検査目的・上記精査目的です。潜血陽性もあります、とある。
膀胱・壁肥厚、+不整とあり、それについては、膀胱の内側の壁が厚くなる、つまり肉柱があるのだそうだ。
これは、前立腺肥大により、尿が出にくくなるのを防ごうと膀胱壁が発達すると言うような説明だった。
肝心の前立腺の欄は、大きさの数値と体積が記録され、前立腺肥大を認めますと記入されている。
まるで、裁判の時の書類に似ている。
主訴なんて言葉は、裁判そのものだ。
更に、小さな射精菅嚢胞を認めます、とある。
検査診断としての結論は、前立腺肥大、射精菅嚢胞と言うことだ。
細胞診断報告書の判定は、尿(自然排泄)・適正:正常または良性、class:1となっていた。
つまり、女医は立派な前立腺肥大で、尚且つ射精菅嚢胞について説明をしてくれた。
大体の事は分かったのだが、 排尿時の違和感はこの肥大に依るものであることは頷けた。
ガンについてはこのクラスでは心配はないのだそうだ。
大まかな事情は分かったので、博打屋はこれからどうすれば良いのか聞いた。
暫くは薬を内服し、一月後に再度検査することとなった。
麻酔科の通院に合わせてくれた。
ところで先生と博打屋は聞いた。
前立腺と言うのは男性ホルモンに関係する所なのですよねぇ、それが肥大すると言うのは、どうしてなのですか?
それに、射精菅嚢胞と言うと何か支障はあるのですか、肥大が排尿に影響するのは分かるのですが、と。
女医は丁寧に説明してくれたが、要は加齢により肥大してくるのだそうだが、ピンと来ない。
先生、この前立腺の大きさは通常よりどの程度大きいのですかと聞くと、1.5倍はあると言う。
そりゃ肥大したのですか、元々私のは大きかったのですかと聞くと、本来は皆同じ位の大きさだと言う。
男性ホルモンが多くなるので、ホルモン注射などをする事もあるそうだ。
先生、そりゃ、男っ気が強いと言うことですか、つまりその精力が強いとか。
女医はそう言う訳ではありませんと笑っていた。
ようやくこの半年の疑問が解けて博打屋は何処か納得した。
知人に前立腺肥大の手術を受けた馬主がいるが、その人の話だと残尿感が強く、外出が苦痛だったと言うから、余程の肥大だったのだろう。
膀胱も、溜めなすぎると容積が小さくなり、溜めすぎると容積が大きくなり、伸びたゴムのようになると言う。
余り尿を我慢して溜めすぎるのも良くない。
薬で排尿時の不都合を緩和することで様子を見ることとなった。
午後半日を潰した前立腺エコー検査を終えて帰途に就いた。
他人事のように聞いていた前立腺肥大と言う病名だが、早い話年寄病なのだろう。
博打屋もそんな歳になったのかと、ふと寂しさも感じる。
それよりも、病と言うのは収入に関係なくやって来ると言うのが、平等ではあるが皮肉ではないか。
貧乏にも分け隔てなく病は訪れる。
今日の教訓だ。
藤は盛りを迎えた。

イメージ 1


今日(26日)は今年2度目の夏日だった。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2244

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>