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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『鵯の鳴く朝』

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朝の鵯(ひよどり)の鳴き声が煩い(18日)。
何をそんなに騒ぐのだと言いたいが、冬に向かい木の実が少なくなる前に、食べ溜めを急いでいるのだろう。
気持ちは分からぬでもない。
冬を乗り越える為の稼ぎ溜めなら、他人事ではない。
刻々と年末の空気が伝わってくる。
今日は午前中は晴れても、夕方には雨になるとお天気予報が伝えていた。
傘を持ち歩いても決して後悔させないと自信たっぷりだったが、その通りの夕方からの雨になった。
開店休業の日々が続き、来る今週末からの3連休3日間競馬の資金繰りに悩ましいが、今日(18日)は午後から先日(4日)の「お口のケア」に続く介護テクニックの初歩講座の2回目「実践介護教室」が予定されている。
昨日(17日)から京王閣で千葉競輪と向日町競輪の場外発売をしているが、何れも封印と諦めていた。
14時からの講座では、一番肝心な時間帯を奪われる。
今日は理学療法士・光武誠吾場外氏による指導。
東京都健康長寿医療センター所属の人で、基礎的な研究をどう社会的に生かすかの研究等をされているそうだ。
今日のテーマは、基本的な介護の仕方について、介護する方の体の使い方や、車椅子の操作方法などについてである。
厚生労働省の「腰痛予防対策指針」では、●腰痛は休業4日以上の職業疾病の6割を占める。
●作業別腰痛予防対策
重量物取り扱い作業、太刀作業、座り作業、福祉・医療分野等における介護・看護作業、車両運転などの作業。
●福祉・医療分野等における介護・看護作業では、リスクの評価、リスクの回避、リスクの再評価があり、その内リスクの回避には、対象者の残存機能の活用法、福祉用具の利用、作業姿勢・動作の見直し、作業の実施環境の見直し、等々がある。
こうした指針に基づき、今日は初歩講座ではあるが、目的として「基本動作(起き上がりと立ち上がり)の運動学を理解する」「身体に負担の少ない介護方法を習得する」「車いすの操作方法を理解する」が掲げられていた。
と言う事で12名程の受講生が実習を交えながらその目的にそった講習を受けた次第だ。
こうした介護知識とテクニックが今既に日常的に必要な人もいれば、やがて身近な作業となる人もいたようだ。
実際に、起き上がりの介助などをすると、介助する方の腰痛を引き起こしかねない。
残存機能と言うのは普段は余り使わない言葉だが、つまりまだ健常に機能する体の一部分の事だ。
両手や両足を組んでもらったり、膝を立ててもらってベッドの外に両足を出してもらうなど、相互の運動に合わせるように介助することの必要性が良くわかる。
講習を受けながら、4~5年前に知人の高齢馬主を故郷に車いすで連れて行った時を思い出す。
巨体の人物で当事85~6歳だったか。
手すりがあれば何とか歩ける具合で、ズボンの上げ下ろしが出来なかった。
博打屋は介護に関する知識は皆無だったが、頭の中では簡単に介助程度にしか考えていなかった。
幸い新幹線に乗れる状態だったから今にして思えば助かったのだが、故郷のホテルに入って同室で過ごした4日間は大変な思いだった。
バリアフリー対応のホテルで無かったので、風呂やトイレでの作業がきつく、夜は夜で2時間置きに起こされてベッドからトイレまで、歩けば4~5歩の距離だが車いすで移動する。
しかも、ベッドから起き上がりやその逆もしなければならなかった。
とんでもない事を引き受けたものだと思ったが、今日の講習を受けてみて、博打屋は知識・知恵もなく、否応無しでやったのだなと改めて思う。
あの強行軍を経験した博打屋からすると、今日の講座はやや初歩に過ぎるかと思えたが、あの時この程度の講習でも受けておけば、もう少し介助する方の負担も避けられたかも知れない。
今日の講習でもあったが、ベッドのあらゆる方向から車いすを寄せる事が出来るとは限らない。
車いすとベッドとの適切な環境設定を考える必要がある。
博打屋は思えば狭いホテルの部屋のなかで、必要に迫られ健側をベッドに近付けて立ち上がらせ、横にならせていたことになる。
幸い、体の左右に麻痺があると言うケースでもなく、それこそ残存機能の活用は出来たから、何も知識のない博打屋でも事足りたのだろう。
しかし、あれは今にして思えば、無駄な動きを相互にしながら耐えた事になる。
その元馬主は、体の不自由さが更に増し、先日専門のヘルパー2人に介助され 、故郷の施設に移転した。
今日の実習だけでも、本当に麻痺のある人の起き上がり等の介助が如何に大変かが想像出来る。

そんな真面目な午後を過ごしていたら、先日の京都エリザベス女王杯帰りの知人から京王閣の場外にいますと連絡があった。

降り始めた雨の中、最後の1レースが間に合うかどうかの時間。
急ぎ京王閣まで出向き、千葉と向日町の最終レースをそろり手出し。
しかし、向日町は失格もあり76820円の波乱。
千葉も36800円の結果と言う、博打屋おあつらえ向きの結果であったが、既に3レース余分に戦っている知人共々討ち死。
嗚呼、余計な所でお金落としちゃったとぼやく知人に、何言ってるのさ、真面目に介護教室にいた博打屋を呼び出しておいてさと、京都土産を要求すると、京都の町と言わず駅を含めそこら中大変な混みようで、駅弁すら買いそびれる有り様だったと言う。
要は土産は無いと言うことだったが、京王閣内でいつもアジフライを食べ、飲みながら過ごす店のご夫婦の息子が吉祥寺のハーモニカ横丁で飲み屋をやっていると前から聞いていたので、一度顔を出そうと言うことになり、雨の中を吉祥寺まで出向いた。
久しぶりの吉祥寺だが、知人は高井戸住まいだから吉祥寺は庭。
目的の店で一杯やりながら、京都行きが決してお忍びのお遊びではなかったとの言い訳を聞かされながら、団塊の世代の博打屋などと麻雀をしたり、博奕をしたりの堕落した我が身の反省をする。
あの、少林寺の修行に励んだ僕は一体何処に行ったのでしょう?と今更ながらの事をのたまわく。
そうかそうかと聞きながら、早い話、その酒を控えることが先なのではないかと思い、改装なった吉祥寺の駅に驚きながら帰宅した。
人は堕落するものだ。
反省だけなら猿でもする。
今朝の鵯の騒ぎは、堕落した博打屋への警告であったのかも知れぬ。
知人にも聞かせてやりたい鵯の冬支度の囀ずりだった。



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