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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『静かなる迎え火』

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じっとりとした寝汗で目覚めた(13日)。


世間並みの暮らしでは無いのだから、世間並みの休みを取る必然性は更々ないのだが、図々しくもお盆休みのおこぼれにあずかろうと朝寝坊だ。


博打屋にとってこのお盆休みは大事な稼ぎ時である。


毎年、この時期のお盆興行博奕は荒れ模様。


どの競技にしてもこの暑さの中、トップ選手たちにとっては残された後半戦に向けての調整期間に過ぎない。


博奕をやる側だって半ばお盆休みの暇潰し、あわよくば組が大半を占める。


大型連休を可能にした今年のお盆休み、博奕場は堅気衆の冷やかし参加も見込め配当もそれなりに妙なるはずなのだが。


しかし、今日は不本意な状況の博打屋だ。


戦う余力が無くなってしまい猛暑の『愁思符庵』で籠城余儀なし。


幸い高校野球と言う強い味方が慰めてくれる。


余裕があれば海山に出掛けたい博打屋だ。


「青春18きっぷ」の出番である。


新幹線や特急などはお盆ラッシュだが、在来線は比較的空いている。


その「青春18きっぷ」旅もままならないとは情けない。


汗を流しながらゴソゴソと埃だらけの本棚や机の掃除を始めた午前だった。


今日(13日)からお盆である。

今日の夕方の迎え火から、16日の送り火までの魂祭の行事をお盆と呼んでいる。

590年代、推古天皇の時代に既にこうした行事の原型があったそうだ。


死者の為の祭りであり、その苦を取り払おうとするものだ。


こうして見ると、当時の死生観が透けて見える。


死を忌み嫌う思想があったに違いない。


余談だが、通夜や葬儀の帰りに清めの塩をかけるのも、死が不浄のものとして考えられていた名残なのだろう。


本来は旧暦7月15日に行っていた行事だが、太陽暦になって8月15日を「月遅れのお盆」とするようになった。


各地で盆踊りが行われるが、今日(13日)の迎え火で迎えた精霊を慰める為の歓迎の宴でもあったのだ。


ちょうど畑仕事も一段落し、藪入りで里帰りした人々と楽しむ一大行事となって今日がある。


都会の盆踊りはこのお盆休みに先駆けて既に終わった所が多い。


都会のお盆は人々の帰省後でもぬけの殻。


今日からは静かな日々が楽しめる。


と言うものの博打屋だって本来なら帰省し墓参もしなければならない身。


しかし、この人生では人並みのご先祖慰霊など出来るわけない。


せめて茄子や胡瓜の牛・馬を作りそっとご先祖様のお越しを願おう。


と言っても、暑いこの『愁思符庵』に来るのも迷惑な事かもしれない。


ご先祖様にも行き先を選ぶ権利があろう。


『父ははを連れて兄来る茄子の牛』(安住敦)


今年こそは京都五山送り火を見るぞ、悪くても箱根の送り火だ、と夏前に意気込んでいたが、その日暮らしの浮草稼業、出来高が追い付いてくれなかった。


箱根強羅の「観翠楼」と言う老舗旅館の離れから見る送り火は良いだろうなと、昔泊まった時に正面に見える大の字を見ながら思ったものだ。


強羅の旅館はこの大文字が見える部屋が多い。


「天翠」と言う旅館のロビーのバーもその山を眺められる作りだ。


いつか必ず箱根の送り火を見たい。


クーラーもつけない『愁思符庵』で送り火の妄想にふけった午後だった。


今日(13日)は富山の決勝だ。


その為の昨日だったが予定外の事態。


こんな筈じゃなかったのにと悔やまれるが、強くなった池田勇人の後ろを長塚が付きライン4車となるので長塚が有利。


嫌いな長塚を買うのも不本意だから、開店休業は救いなのかも知れない。



買うなら池田からと思い携帯でレースを見ていたが、やはり池田がレースを作り長塚がごちそうさまのゴール。


まあ、好き嫌いを言わなきゃ長塚・池田は勝負車券かもしれなかったが、博打屋は買わなかっただろう。


静岡では前日惚けた平原が準決勝突破。


ここまでは主役のノルマ、明日(14日)の決勝は怪しいかぎりだ。


静かなる迎え火の今日、稲田堤産こしひかりは稲穂が出て花が咲いた(写真)。

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