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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『嗚呼、幻の弁護士』

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夜中に胃の具合が悪く目覚めた(9日)。


寝る前に食べたものが異にもたれている感で、いつ起き出して胃薬か吐き気止めを飲むか悶々とした。


さすがに布団から抜け出す勇気がです、我慢しながら読書で誤魔化す。


こんな時には「『菊と刀』日本文化の型」(ルース・ベネティクト)を読むに限る。



何しろ、難しい。


ちょうど、1944年当時、太平洋戦争が一気に連合軍側に傾き始めた頃、どうやってこの戦争を終わらせるか、悩むアメリカ軍から日本研究を託された著者による日本文化研究の書だ。



長らくベット脇に並んでいて入れ替わらない。


読み始めて2ページも読めばいつも寝付いている。


しかし、昨夜は中々眠気が来ない。


まるでヤクが切れたか、といった感。


同書を読むと、日本人と言う人種については殆んど資料が無く、日本を理解し、それを西洋式に解釈することが如何に難しかったかが分かる。


アメリカがそれまで戦ったいかなる国民にも類しない未知の敵。


戦争終結までの道程が容易ならぬものであったことが冒頭に書かれている。


この本で寝付けないと次は正岡子規『かけはしの記』。


子規が病を得て郷里に帰る前に立ち寄る木曽路辺りの俳諧記。


しかし、この本もすでに古典だ。


博打屋がよんでも、一行に一語は分からない文言がある。


こうなると、博打屋の頭脳も根負けして眠りに着く。

明け方寝付いたが、9時に宅配便で起こされた。


知人から律儀な年賀だ。


胃の具合は重たるいが、今日は明日からの3日間競馬に備えなければならない。



年賀状を出しそびれたので寒中見舞いを書かねばならない。


朝から準備をしていたら、昨日連絡つかなかった、同窓の弁護士から電話があり小一時間の相談。



事務所からの電話だから、仕事の範疇に入っているのだろうが、博打屋への香典代わりだと思ってくれやと法律相談を知人話で終わらせた。


大変参考になったが、裁判官上がりの弁護士だから、和解案を模索する道を薦める。


その後、他の弁護士から電話があった。


昨日、日本住宅性能検査協会と言う、NPO法人に相談をして敷金問題に詳しい弁護士を紹介してもらった。


M弁護士と言う、まだ若い弁護士であったが、訪ねて行った霞が関ビルの19階、某法律事務所はまるで重厚な、如何にも法の監視人といった部屋。



博打屋が今まで見た中で一番立派である。


その一室で、好感度抜群の若いM弁護士は丁寧に博打屋の争議の経過を聞き、資料を見ながら相談に乗ってくれた。


30分で終わらされると思っていたが、その素振りもなく、1時間30分に渡る対応。


博打屋が気付かなかった契約書の記載不備、或いは過去における再契約料の不当について指摘してくれ、次への手順を導いてくれた。


裁判は最終的には裁判官の判断になるが、個人で戦える道はあるのだから納得行くまでおやりになるのも一つの選択ですと励ましてくれた。



霞ヶ関ビルを出ると外はもう暗くなっていて、冷え込みが強くなった。



振り向いて見上げる霞ヶ関ビルだが、このビルにくるのは40年を軽く越すだろう。


映画のような法律事務所と、イケメン弁護士を見ていると、もし法学部に受かっていたら、博打屋もこの道を歩んだかも知れないなぁ~と、首をすくめてビルを見上げた。

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