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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『初雪』

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朝の冷え込みは今冬一番を思わせる厳しさ(12日)。
初雪がちらついている。
昨日、物身共に疲弊して成人式籠りをしたのは、長い博奕稼業で初めての事だったが、惰眠を貪ったのと、博奕離れに徹して見猿、言わ猿、聞か猿の三猿の休息を銭湯一番風呂でとった。
何だか、登校拒否児童か、職場放棄のサラリーマンの心境も斯くあらんかと思ったが、昨日の博打屋は戦意より戦力の問題であったか。
今日になったからと言え、土日のダメージが解消される訳ではないが、博打屋としての験担ぎと言えばそれまで、悪い流れを断ち切る為の自己防衛でもあった。
今朝は曇よりと如何にも寒中らしい空模様と冷え込みだが、やはり暖冬の影響か大雪にはなりきれない。
初春に相応しく、申し訳程度の降雪だが、銭湯で癒せるのは精々体の疲労。
小雪の冷たさは再び3日間競馬途中断念の痛恨を呼び覚ますが、これも修行と思えば雪が流れを変えてくれることに期待するのみだ。
ずる休みの最中に、グリーンFの仕事人・海老名君のお年玉馬、グリーンシーカーが期待に応えてくれたのに、ついてないときにはそう言う事が重なる。
もっとも、博打屋が不在だったからグリーンシーカーに幸運が廻ったのか。
雪は僅かな時間で終わったが、冷え込みはきつい。
手持ちは一昨日から僅かなものだ。
今日(12日)は土曜(9日)から開催中の和歌山競輪記念決勝と名古屋競輪初日を京王閣で併売している。
潤沢なるタネ銭なら寒さも雪も苦にならないが、諭吉一人居るでない我が懐を思うと、戦意高揚など願うべくもない。
『初雪や復讐するは我にあり』(愁思符庵)
盗作紛いの句を捻りながら、雪上がりの空を見上げる。
スマホで昨日(11日)の和歌山準決勝を見直していると、せめて決勝でもと博打屋の血が騒ぐ。
座して雪上がりの空を眺めていても事態は変わらぬ。
そう思いたって出向いたのが午後も遅くの事だった。
寒さのせいか京王閣は人出も少なかった。
しかし、恐らく今日の博打屋のように切羽詰まった事情の人はそうそう居まいと思いながら、博打屋は緊張感に包まれた。
流れを変える為の昨日の職場放棄であった。
今日に引きずる訳にはいかないが、如何せん弾不足だ。
しかし、復讐するは我にあり、と再び口ずさむ。
狙いは和歌山決勝だが、名古屋10・11Rと和歌山10・11Rが間に合う時間であった。
この時、名古屋10Rの締切間近の音楽が流れており、手持ちの淋しさから諦めたのが正解だったか。
僅かの時間差で締め切る名古屋10Rの負け戦、山崎に博打屋としては珍しく頼った。
売れ筋でもあり、グランプリ組では山崎だけが準決勝すら逃していた。
ここで幾らかにでもなればと思い、売れ筋の山崎から飯野、三宅伸、近藤龍徳を選んだ。
レースは引っ張る飯野番手から山崎が差し込み、粘る飯野を三宅が交わし、3着飯野が微妙な判定待ち。
買っていない新井が3着なら博打屋は外れである。
タネ銭作りに何とか飯野3着を願ったら、幸いな決定放送。
山崎・三宅・飯野5-4-3、4000円が確定した。

イメージ 1


博打屋は手始めレースだけに嬉しくもありホッとした。
これで和歌山決勝資金が増えた。
しかも、名古屋11Rにも手が出せる。
先に締め切る名古屋11Rは先行小笹を得た水谷の1着と読み、別線の2・3番手小松剛之・佐藤明を押さえた。
レースは小笹が叩き先行となり、水谷が抜け出し小松・佐藤と入線した。
3-9-4、24790円に博打屋はホッとした。

イメージ 2


何とも省エネ車券だが大変な効率である。
15分遅れの和歌山決勝11Rは、名古屋の結果前に買っていたのだが、資金が増えたので稲垣からの車券を買い足した。
この決勝は、村上の前を稲垣が走るが、村上は不調で要らないと読んでいた。
地元が3車ならび、番手の東口が恵まれる。
別線では郡司浩平・田中晴基の好調が3日間の走りを見直して読み取れた。
東口が恵まれ、稲垣は外せまいし、残りは郡司・田中のどちらを取るかで悩んだ。
結論は東口・稲垣・郡司のボックスとし、稲垣から郡司・田中・東口の3車を押さえた。
しかし、稲垣は地元勢を意識したか、絶好の位置から郡司・田中の捲りを許し、辛うじて地元東口が3着に残り、17230円の好配当。
博打屋は稲垣絡みの車券勝負レースだから外してしまった。
う~ん、ここは取りたかったレースだと、今日の切ないホップ・ステップ・ジャンプのジャンプ失敗に些か気落ち。
しかし、贅沢は言えない。
乏しいタネ銭しか持たず出向いてきて、土日の中山競馬の予定外出費や麻雀の負けが全て賄えた事になる。
寒さは緩んできたが、外は夕闇の冷たさを加えて来た。
京王閣を振り返りながら、つい2時間前の我が懐と心のすさみを思い返し、ささやかな幸運に恵まれた事を感謝した。
まだ先週の3日間競馬に用意した手持ちに戻せ切れないが、1度失った諭吉達が何人か戻って来てくれた事は嬉しい。
昨日の休養が効いたか、流れを絶ち切ったか。
初雪や、と再び口ずさむ博打屋だった。



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