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Channel: 梶山徹夫の『愁思符庵日記』
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『御岳山紅葉狩り』

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日の出が6時を過ぎ初め、朝の冷え込みも強くなった(15日)。
今朝は今季一番の冷え込みだったようだ。
今年の冬の長期予報は暖冬との事だが、当たりなら寒さに弱い博打屋としては歓迎である。
エルニーニョ現象が暖冬予報の根拠とのことだ。
一昨日(13日)、曇り空の中を御岳山に出向いた。
この夏、同行援護の利用者と出向いたが、途中で利用者が体調を崩し断念した経緯がある。
ちょうど、天然記念物の神代欅の手前の茶屋の前だった。
樹齢1000年と言うこの木に再会することなく利用者は引き返した。

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よほど心臓が苦しかったのだろうと思う。
以来、利用者はその出来事が悔しかったのだろう、再チャレンジを希望していた。
しかし、博打屋も御岳山から日の出山まで歩いたのは何十年も昔のことで、先日はこの神代欅から御嶽神社までがどの様な道になっているか忘れていた。
ロンと康が日の出山荘で親睦を深めて名が知られるようになる前の御岳山歩きだから、記憶も薄れていた。
一昨日の御岳山行きは、再チャレンジを希望する利用者の為の下調べもあった。
先週行った高尾山の紅葉と御岳山の紅葉との見比べもあったが、時期が違うのでフェアな比較にはならない。
雨が降り始めた昼前に青梅線御嶽駅に着いたが、ハイカーたちは結構な数。
残念なことに、JRの遅れで接続する筈のケーブル下行きのバスは出たばかり。
次は40分後と言う時間ロス。
小雨の中を、多くのハイカーたちは待たなければならない。
何と馬鹿馬鹿しい事かと憤慨するばかり。
青梅線のJR、ケーブル下までの西東京バス、ケーブルカー運行の京王電鉄の連携が悪い。
恐らく、青梅線に合わせてあるバス時刻だろうが、1時間に1本程度のバスなのだから、電車の遅れに対処する位の配慮は欲しい。
いささかムッとして時間を潰した。
一昨日(13日)はケーブルカーを降りて神社までの参道を選んだ。
問題は前回リタイアした神代ケヤキから先の道だが、確かに前回引き返したのは正解であった。
武蔵御嶽神社までの道は、急な坂と階段が待ち受けている。
今回歩きながら、利用者の再チャレンジは無理かなとも認識した。

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しかし、小雨の中を軽装の高齢者連れも多く、体調さえ整えれば、先日高尾山山頂まで歩いた利用者だから、歩けないこともない。
もっとも、高尾山は600メートルを切るが、御岳山は800メートル強の高さだ。
急峻さに於いてはこちらがきつい。
この御岳山は関東随一の霊場として長い歴史を持つ。
第十代崇神天皇の創建と伝えられ、天平八年(736年)に僧行基が東国鎮護のため蔵王権現を勧請したと言う。
山岳信仰の隆盛と共に修験道の拠点となり、平安時代から多くの権力者や一般庶民に御嶽権現の名で信仰されてきている。
庶民の御嶽詣でが盛んになると、人々は講を結成し、関東一円から参拝者を集めた。
参道の道々に建てられた多くの石碑に、各地の講の名が刻まれている。
この神社の宝物殿には平安時代からの武将らが献上した国宝2点を含む、多くの重要文化財が展示されている。

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山岳信仰のメッカであることは、現在も24軒残る宿坊からも偲ばれる。
江戸時代以降は農作物の神として信仰されている。
「御師(おし)」と呼ばれる神社従事者が、各地区の有力者を訪れ講元に据え、信仰を広め、神社への参拝を促して来た。
今で言うなら、ツアコンダクターの役目も果たしていた。
当然、山頂に宿泊施設が必要となる。
それが「宿坊」である。
この宿坊には一般の人でも泊まれる。
四季を通じての御岳山の行事を見るなら、山岳信仰のメッカに泊まるのも悪くない。
御岳山内の有線放送では「本日⚪⚪時から太々神楽(だいだいかぐら)の奏上があります」と言う放送が入るそうだ。
講中がやって来て、武蔵御嶽神社に参拝し、太々神楽を奏上する知らせと言う。
4~5月に多く、運が良いと、奏上前に講中が行う蒔き銭、蒔き餅などに出くわすそうだ。
一昨日の御岳山で気づいたが、犬連れの参拝者が何人かいた。
この武蔵御嶽神社はおいぬさまを祀る神社でもある。
ここの狛犬はオオカミで、大口真神(おおぐちまがみ)と言われ、神様をお守りする神様である。
神様に仕えるだけでなく、フサフサした尾で火を消してくれたり、疫病を運ぶネズミを食べてくれるなど、人間に降りかかる諸々の災厄を防ぐと言うことから、「おいぬさま」の御札が江戸の町中に広まった。
今でも、「おいぬさま」の御札を門口や玄関などに貼って厄除けとしている。
今年は戌年だったので、犬連れの参拝者が多かったようだ。
雨はいつの間にか止んでいた。
雨上がりの山は、靄が立ち込め、幽玄な空気を醸し出していた。
紅葉も見頃で、気持ちのよい紅葉狩りとなった。

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